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建築デザイナー西山徹さん インタビュー(その1)

中島大祥堂丹波本店002(撮影繁田諭).jpg

丹波本店の設計とデザインでお世話になった、

建築デザイナー・西山徹さんにお話を伺いました。

大西
   西山さんに初めてお会いしたのは、設計ラフ平面の打ち合わせでだったと思います。

   私はプロジェクトに途中参加で、もう少し前からスタートしたと存じているのですが、

   西山さんが丹波本店に携わったきっかけをお話くださいませんか。

西山
   中島大祥堂さんとの出会いは、2012年の11月で、ロゴやパッケージデザインなどを

   手掛けられているSOU・SOUさんを通じて紹介をいただきました。

   SC(ショッピングセンター)への店舗展開を検討されていて、

   プレゼンテーション資料としての店舗デザインをご依頼いただきました。

大西
  
 そちらのお話は、残念ながら保留になったそうですね。

   プレゼン資料は拝見したことがあります。

西山
   はい。それから1年後、今回の丹波本店の立ち上げが決まった際、

   店舗設計のお声掛けをいただきました。

   以前は、SC店舗デザインだったため、計画のお話を本社でお伺いした時には、

   規模の大きさに驚きましたが、この案件に携われる可能性があること、

   やり遂げた時の未来を思うと、ありがたさと責任感が溢れてきました。

大西
   
未来を思うとは、前向きですね!多くの人は緊張してしまいそうですが。

   SC店舗検討の頃は、オンラインショップのみの販売で、モダンテイストのブランドでした。

   本店計画では、「丹波」という新たなキーワードが加わりましたが、

   その中で、表現される思いに変化はありましたか。

西山
   初めて現場を訪れた時、昔の城下町の面影を残しながら

   整備された町並にとても感銘を受けました。

   観光地としては人通りなどの面で少し淋しくも感じましたが、

   きっとこの店舗はこの町の大きな足がかりになる、

   そして昔の賑わいを取り戻せる様な第一歩となるデザインが出来ればと思いました。

大西
   里山と城下町と少し印象の異なるキーワードが、丹波市柏原にはありますが、

   その条件の中で、どのような空間を目指されたのでしょうか。

西山
  「過去と現在(今)の共存、そしてこれから共に歴史を重ねていく」を目指しました。

   古民家の移築が今回の計画の大きな課題の一つでしたが、

   その歴史の重みをどこまで維持しながら店舗としての機能を備えられるか、

   変えて良いコトとそうでないコトの判断を間違えないようにデザインを進めて行きました。

 
   新しいデザインは、自然や時を経た物の重みや美しさと

   同じ物を造る事は出来ません。

   そのため包容力のある抽象的なモダンデザインで新築部分はまとめ、

   イミテーションを極力排除しました。
 

大西
   カフェスペースの古民家と販売スペースの新築部分。

   「商店建築11月号」で西山さんがお話されていた、

   「過去と未来とつなぐデザイン」ですね。 

西山
   古民家との連続性を表現するために、本物のアンティークでリ・デザインしています。

   茅葺き・ケースの腰に用いた水屋箪笥の口板・天板に

   使用した割れた古材が主にそれにあたりますが、

   古い物を大切に使い続け、ひと手間加え新しいモノを

   生み出して行くということが「老舗のあり方」も表現しています。

   そして、中島大祥堂様の代表作でもある「豆果」の断層を表現した版築、

   菓子職人の繊細な作業が滲み出たような

   美しい高麗格子が現在(今)へと繋がっていきます。

   (次回につづく)

中島大祥堂丹波本店001(撮影繁田諭).jpg

▼西山徹デザイン事務所
http://nishiyama-tohru.com/

▼中島大祥堂 丹波本店
https://www.ntdshop.jp/
営業時間 10:00~18:00(ラストオーダー17:00)
電話:0795-73-0160(平日予約可)

(大西)
 

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